タテハチョウ科 II

 ミドリヒョウモン・雄 
 
 2003年6月29日

 広島県北広島町

 このミドリヒョウモンの雄は羽化したばかりのようで、とても新鮮な個体だった。

 (下の画像)翅を開いた雄

雄は前翅表に4本の性標(太い4本の黒い発香鱗の筋)を持っている。



発香鱗 : 雄が雌を誘うためのフェロモンを発する鱗粉の事を言います。種類によってその場所は様々だが、このチョウのように集まって筋を作るものもあるそうだ。
 ミドリヒョウモン・雌

 
(画像・上)2003年7月2日
 廿日市市

 こちらは雌の新鮮な個体です。こうして並べてみると、雄に比べ雌は翅の色が濃く、斑紋もくっきりしている事が判る。
 前翅の先端近くにある白斑も、雌雄判別のポイントになる。

 (画像・中)2005年7月5日
 庄原市


 翅を開いたところ。

 (画像・下)2005年7月5日
 庄原市

 ミドリヒョウモンのメスでは画像・下のような翅色の黒化した暗色型がしばしば見られる。
 ノーマルタイプに比べ、林の中などのより暗い環境を好むようだ。
 
 ウラギンヒョウモン・雄

 2003年5月21日
 熊本県


 ヒョウモンの仲間はよく似た種が多いので、判別が難しいが、
翅裏の斑紋の違い、雄の場合は前翅表の性標の数で判別すると良い。
ウラギンヒョウモンは2本の性標を持っています。

 下の画像は同じ場所にいた別個体の翅を閉じた雄。
 
ウラギンヒョウモン・雌

 2002年7月21日
 広島県北広島町

 アカツメクサで吸蜜中。写真を撮っていたら、他のハイカーの方から「花ですか?」との質問。「いいえチョウです。」と答えると、なあ〜んだといった風の表情をされた。
 チョウを撮るのはあまり認知されていないのかな?
 ツマグロヒョウモン ・雄

 2003年11月4日
 呉市


 ツマグロヒョウモンは雌雄の翅の文様が全く違うチョウだ。
初めて見ると、全く別の種類のチョウだと思ってしまう。
 ヒョウモン系のチョウは、数が減る傾向にあるが、このチョウだけは別格のようで、温暖化と家庭の花壇のパンジーを食餌植物として勢力を伸ばしつつある。



 ツマグロヒョウモン・雌

 2004年4月16日

 呉市

 雌(写真下側のチョウ)は毒チョウであるカバマダラに擬態している。
 庭のニオイスミレに大きな終齢幼虫がいたので、これが羽化したのではないかと思った。
  


 ツマグロヒョウモン (カップリング 上・雌 下・雄)

 2003年5月4日
 呉市 休山
 イチモンジチョウ

 2003年5月21日
 熊本県

 
去年夏、久住で見たイチモンジチョウは気の毒なくらいボロボロになっていたが、このチョウはとてもきれいだった。
この5月に羽化したばかりのとても新鮮な個体。
 翅裏の斑紋がとても美しいので、「翅を閉じて見せてよ」とつい声を掛けたくなる。
 イチモンジチョウは5月くらいから発生する、年2〜3化のチョウ。
 アサマイチモンジ・雄

 2004年5月8日
 呉市


 アサマイチモンジはイチモンジチョウととてもよく似ていて、ちょっと見ただけでは容易に区別できない。
 前翅裏第3室の白斑の大きさで、判別する事ができる。(アサマは大きく、イチモンジはとても小さい。)
 他にも細かな違いがあります。
 また、本州だけに生息するチョウでもあります。

 下の画像は別個体(2004年8月岡山県で撮影)の翅表の画像。
 コミスジ

 2003年4月29日
 呉市

 羽化したばかりなのか、素晴らしくきれいな個体。
 登山道途中の水飲み場に、テングチョウやアカタテハ、ルリシジミなどと一緒に群れていた。


 下の画像は別個体(2005年5月庄原市で撮影)の翅表の画像。