シジミチョウ9


 ジョウザンシジミ

 2014年6、7月(画像1~4夏型)
 2015年5月(画像5、6春型)
 北海道


 河川や山の岩の露出したガレ場などに見られる。
生えるキリンソウやホソバノキリンソウなど、ベンケイソウ科の植物を食草としている。
あまり食草から離れず、天気の良い日中に活発に活動している。
地面で吸水する様子も見られた。
画像は全て別個体。
年1化と2化の地域があって、2化のところでは春型、夏型の季節型がある。

画像の下2枚(2015年5月撮影)は、第1化であるところの春型で、河原タイプ。
腹部が細いことや、青色鱗が発達しているので、雄ではないかと思われる。
春型は雄雌共に、夏型に比べ青色鱗が発達している。
  リンゴシジミ

 2014年6月
 北海道


 リンゴという名がついているが、スモモやウメ、アンズなどを食草とする。
カラスシジミ属の中で唯一北海道のみに生息する。
雄は天気の良い日はお昼前から3時頃にかけてテリ張する。
民家の庭のスモモなどで発生したという話も聞く。
人家近くに棲む、里の蝶のようだ。
画像は上の2枚が同一個体で雌、一番下の画像は雄と思う。
  カバイロシジミ

 2014年7月
 北海道

 シジミにしては結構大柄の蝶。
年1化で、ヒロハクサフジやクサフジなどマメ科の植物を食草としている。
交尾体は左が雌、右が雄ではないかと推測している。
雄(画像・下)の翅表は淡青色。
雌の翅表は樺色~雄に近い青色まで、バリエーションに富んでいるらしいが、
残念ながら、翅表を見せてはくれなかった。
 キタアカシジミ

 2014年6月
 北海道


 地元広島にも、カシワアカシジミ(ミナミアカシジミ)がいるが、
こちらは北海道に生息するカシワアカシジミ。
地色が赤みを帯びている広島産とは微妙に翅色が違っていて、
どちらかというと黄色味が強い。

 2015年6月
 新潟県


 梅雨時期なので、天気を気にしつつの遠征となった。
現地に到着したのは午前10時過ぎ、最初のポイントで目にしたのは
たくさんの網を持った人たちだった。
よく見ると、殆どが子供たちでそれに混じって大人が数人。
地元の小学校の野外授業に行き当たったらしかった。
採集に夢中な子供たちとの撮影はちょっと厳しい(大笑)
今年の発生は早めだったようで、擦れた個体が多かったが、
綺麗な個体や黒化した個体も見られた。
校庭に植えた食樹のデワノトネリコへ放蝶して、卵や幼虫を観察するために
成虫を採集に来たとのことだった。
指導者の方が、「たくさん産卵していますよ」と教えてくださった木を見ると
幹の至る所にべたべたと無造作に産みつけられていた。

今回の遠征で、日本に棲息するミドリシジミ族13属25種全てを撮影することができた。
 カラフトルリシジミ

 2015年7月
 北海道

 北海道高山帯のガレ場に棲息する蝶。
昨年(2014年)の遠征の際、会うことができず、今年こそはと思っていた。
生息地を訪れた日は晴天で、とても活性が高く、撮影には往生した(苦笑)
幼虫はガンコウラン、コケモモなどを食餌植物としている。
成虫はチシマフウロなどの花で吸蜜する。
 ハマヤマトシジミ

 2016年3月
 沖縄県


 ヤマトシジミに似ているのかと思いきや、実物を見てみたら、ヒメシルビアシジミに酷似していた。
ヤマトシジミは本種に比べ、ずっと大きいので、飛んでいるものを見ても容易に判別できることが分かった。
現地ではヒメシルビアと混生していて、しかも食草も同じ、大きさも似ているので判別には苦労した。
 画像は上から雄の翅表、翅裏、産卵中の雌、雌に求愛する雄である。