シジミチョウ-5

 ウラゴマダラシジミ

 2006年6月
 広島県庄原市


 ウラゴマダラシジミもゼフィルスの仲間で、地元では5月の終わりに姿を見せ、7月の初めに姿を消します。
このチョウも普通にいるはずなのに、なかなか会えなかった蝶のひとつでしたが、一旦会い始めると何頭もの個体と出会うようになるから不思議なものです。
 形態だけを見ていると到底ミドリシジミ族と思えませんが、ウラキンシジミ属やチョウセンアカシジミ属に近い種なのだそうです。

 
 ダイセンシジミ(ウラミスジシジミ)

 2005年
(画像・1)
 2008年
(画像・2、3)
 広島県

 ナラガシワの林の下草にとまっていた。近寄るとダイセンシジミと気が付いた。
赤褐色に白いラインの美しいシジミチョウ。お腹がプックリと重そうでしたので、雌かもしれない。
 
 中と下の画像は同一個体でかなり変な斑紋を持っている。
翅の地色も普通のとは異なっている。 個体変異あるいは黒化したタイプなのかもしれない。


 2015年7月(画像・4、5、6)
 北海道


 シグナタ型が多産するというポイントに行ってみた。
このポイントの個体は殆どがシグナタ型ということだったが、
通常の斑紋を持つ個体もいた(画像・4と5 同一個体)
一番下の画像は、はっきりとしたシグナタ型だった。
 ウラキンシジミ

 2005年
(1枚目・雄)
 2008年
(2枚目・雌)
 2009年
(3、4枚目・雄 5枚目・雌)
 2014年
(6,7枚目・雄)
 広島県


 半日陰の林の中で、小さな黒っぽいチョウが飛び回っていた。
見慣れないチョウなのでなんだろうと確認したところ、ウラキンシジミだった。
飛んでいる時には、翅裏の金色はあまり目立たず、黒っぽい感じがする。
写真に撮ってみて初めて翅裏が金色なのに気付いた。
 雌は雄よりずっと大きく、1.5倍はあったように思う。

 ヒロオビミドリシジミ

 2005年
(1枚目 雌))
 2006年
(2枚目 雄)
 2008年(3、4枚目 雌)
 2009年(5枚目 左・雄、右・雌)
 広島県

 大阪以西の本州に分布する。明るいナラガシワの林に生息し植樹の葉の上で占有行動をとる。
雄の翅表は美しい金緑色をしている。雌のそれは黒褐色をしている。
 エゾミドリシジミ・雄(上) (下)

 2005年8月
(雄)
 長野県


 2007年7月(雌)
 兵庫県

 お昼頃、林の中の小道でマリンブルーの美しい翅色のシジミに出会いました。
翅の色合いからジョウザンかな?と思いましたが、よく見ると後翅の橙色の斑紋が繋がっています。
翅の傷みが目立ちますが、尾状突起も少し短いので、エゾミドリではないかと思いました。
 ミヤマシジミ・雌

 2005年8月(上、中画像)
 2013年6月(下)
 長野県


 湿原近くの草原で出会った時、いつも見慣れたヒメシジミと随分雰囲気が違うなぁと感じた。
ファインダーを覗き込んで見ると、なんと後翅裏の外縁部の黒斑の中に青色鱗が見える。
「やった!ミヤマシジミだ!」と思わず小躍りした。
 (画像・上と画像・下は同一個体)
 アサマシジミ

 2005年8月(一番上の画像)
 長野県

 2009年8月(上から2枚目と三枚目)
 長野県


 2005年撮影の個体は後翅外縁の黒斑に青色鱗がはっきり見えないので、
ヒメシジミかな?と思ったが、前翅裏第3室基部の黒斑が長めの楕円形なので、アサマシジミと同定した。
 2009年撮影の2枚は同一個体。
ここではヒメシジミと混生していて、大きさや前翅裏の斑紋の違いがじっくり観察できた。
 これらは八ヶ岳・浅間山・山梨に生息する亜種yaginus


 アサマシジミ飛騨山脈亜種(下の3枚の画像)
 (ヤリガタケシジミ)
 
亜種yarigadakeanus

 2010年7月
 長野県


 かつては北海道のイシダシジミ、山梨・長野のアサマシジミ、飛騨山脈のヤリガタケシジミは
別種として扱われていたそうだ。
 しかし現在はそれぞれ別亜種として分類されている。
 スギタニルリシジミ・♂

 2006年5月
 広島県北広島町
(画像 上、中上)
 2007年4月
 広島県安芸太田町
(画像 中下、下)

 ようやく念願のスギタニルリシジミに会えました。
ルリシジミと違い、翅裏は灰茶色をしています。
また、後翅第1c室基部のふたつの小黒斑がくっついて、V字型になっているのが判別のポイントのようですが、
観察して見るとこの2小斑が離れた個体もたくさん見られました。
 
翅表は、藍色に近い濃い青色をしていて、飛ぶと紺色にキラキラ輝きます。
雄雌共に吸水行動行うようで、湿った砂地に集まっていました。
 生態図鑑等に拠れば、雄は午前中〜お昼過ぎまで、雌は夕方に吸水を行うこと多いそうです。
 

 スギタニルリシジミ・♀(画像 一番下)

 2008年5月
 広島県安芸太田町


 雌は雄に比べ、翅表の外縁部の黒い帯が太く、青色鱗が薄い傾向があります。
雄は午前中に吸水しますが、雌は午後になって吸水する習性があるようです。
 ウラジロミドリシジミ

 2006年
(画像・上、中)
 2008年
(画像・下)
 広島県


 朝ナラガシワ林の林床に目を凝らすと下草にひっそりととまっていました。
 日中は不活発で食樹の葉の上や下草などに静止していますが、夕方になると活発に飛びはじめます。

このチョウはその名のとおり翅裏が白銀色をしていて、他のFavoniusのような白帯を持ちません。
 カシワも食餌植物としていますが、中国地方ではナラガシワの林に
ヒロオビミドリシジミと混生していることが多いそうです。
 翅表は他のゼフ同様、雄は金緑青色を、雌は黒褐色をしている。

 ※画像は全て別個体。
 クロミドリシジミ

 雄
(上)
 2006年

 雌
(下)
 2007年
 広島県

 濃い茶褐色の翅裏をもつ美しいゼフィルスです。
ちらりと見えた翅表も濃銅色をしていましたので、おそらく雄の個体と思われます。
 とても新鮮な個体で朱色の斑と白帯、後翅外縁部の霜降り状の微細な白斑がとても美しく、
暫くぼんやり眺めてしまいました。
 活動の時間帯は早朝5:00頃と夕方4:30頃の二つのピークがあり、それ以外の時間は不活発で、
食樹(クヌギ、アベマキ)の葉上などに静止しています。