シジミチョウ科 IV

 ウラギンシジミ・雄

 2003年7月21日
 呉市

 吸水中の雄に手を差し出すと、時々手に乗ってきてくれます。これは、人間の汗に惹かれるためらしく、ウラギンシジミの雄に限らず、多くのチョウで見られる行動です。
 この雄は手に乗ってきた後、サービスなのか、翅を開いて表の鮮やかな朱色の斑紋を見せてくれました。斑紋の大きさには個体差があるのですが、この子は表翅の斑紋のよく発達した、綺麗な個体でした。

下の画像は別の個体が翅を閉じたところです。
 ウラギンシジミ・雌

 2002年11月12日
 広島市

 雨上がりのアスファルト舗装の道で吸水していました。
 飛ぶスピードが早く、翅裏の銀色がキラキラ光るので、すぐにウラギンシジミだなあと見分けることができます。
 オオルリシジミ

 2005年5月15日
 熊本県

 雌は小さめのキチョウくらいの大きさで、シジミチョウとしては大柄なチョウです。
 本州の産地では殆ど絶滅状態で、長野県に僅かに残るのみだそうですが、阿蘇では地元の手厚い保護もあり、最盛期には多数の個体が乱舞する姿も見られるそうです。
 時期が遅かったのですが、それでもたくさん個体がクララの蕾に産卵していました(画像・上)

 雌の翅表には青い地色に黒の丸い斑紋がばら撒かれています。産卵の小休止、葉の上で日向ぼっこ中 (画像・中央)

 クララにとまる雌に求愛中の雄です。
この時期殆どの雌が交尾済みのようで、求愛拒否される様子が各所で見られました。
雄の翅表には雌のような黒い斑紋が見られず、綺麗は青色をしています。(画像・下)



 2013年6月(画像上から5枚目〜8枚目まで)
 長野県

今回ようやく長野県の個体を見る機会に恵まれた。
いずれも別個体。
 ミナミアカシジミ

 2004年
 広島県


 最初見つけたときには、アカシジミ?と思ったのですが、どうも印象が違う。
アカシジミに比べ一回り以上大きく(前翅長25mm程度)、前翅の銀白線が黄色みを帯びていることや、カシワの木の執着していることなどから、本種と思った。
 アイノミドリシジミ・雄

 2009年6~7月
 兵庫県
(上3枚)
 広島県
(下2枚)

 生息地に着いたときにはすでにテリを張る時間を過ぎていた。
ふと山道に目をやると、吸水中の♂が複数いた。
アイノ・♂の吸水行動は生態図鑑などで知っていたが、目にするのは初めてだ。
すぐそばではフジミドリ・♀も複数吸水していた。
 画像、中と下は同一個体で、上は別個体。
時々移動するのに低く飛んでいた。
メタリックグリーンの翅表を何とか撮りたいと思って、シャッターを切った。
偶然撮れた飛翔画像が中の画像。
 
 
 多数の雄がテリを張ると、中には良い位置にテリを張れない雄が出てくる。
そんな雄は普段止まらない低い位置に止まる事がある。
それが下2枚の画像(同一個体)。
 ウラナミアカシジミ

 2005年6月
(画像・上)
 2007年6月(画像・下)
 庄原市


 地元にも生息しているはずなのになかなか見つけられず、思いもかけない場所で出会うって、良くあることなのですが、このウラナミアカシジミもそうでした。コナラの林の中を歩いていて見つけました。
 去年見つけた子はシーズンの後半のようで、鱗粉が薄くなりやや傷んでいましたが、今年の子は鮮やかな色彩の綺麗な子でした。
 昼間はあまり活動せず、林の下草やナラガシワの葉裏にたくさんとまっていました。
 ウスイロオナガシジミ

 2005年6月
(画像・上)
 2007年6月
(画像・下)
 庄原市


 ウスイロオナガシジミもウラナミアカシジミ同様、日中はあまり活動せず、下草やナラガシワやミズナラなどの葉裏にじっととまっています。
夕方になると活動しますが、他のミドリシジミの仲間のように敏捷では無く、ゆったりとした飛び方をします。
 シルビアシジミ

 2005年5月(上3画像)
 熊本県

 2010年9月(下2画像)
 九州


 シルビアシジミは各地で姿を消し、環境省のレッドデータブックでも絶滅危惧I類に指定されている。
地元(広島県)では、1995年に確認されたのを最後に見ることができないそうで、すでに絶滅状態と考えられている。

 明るく開けた丈の短い草原を好み、ミヤコグサやコメツブウマゴヤシ、コマツナギなどを食餌植物としていますが、近年こうした環境が各地で失われていることが、個体減少の大きな要因となっている。

 ヤマトシジミに似ているが、更に小柄でとても敏捷で、前後翅外縁の外から2列目の斑紋が発達し矢羽型になる。
また、後翅裏の第6室の小斑が、第7室の小斑の真下にあるという特徴もある。
 上の個体が翅を開いたところが真ん中の画像。
 下の画像は、上の2画像とは別の個体。
上の3枚の画像は全て雌。

 下から2番目の画像は交尾個体。
一番下の画像は雄で、全て別個体。